JA大阪南のブログ

トラクターの片ブレーキ事故防止

農作業事故2016.05.01

   1605_トラクターの片ブレーキ事故防止

農作業死亡事故は乗用トラクターに関わるものが多く、その中でも転倒や転落に分類されるケースが大半です。しかし、なぜ転倒・転落に至ったのかの詳細は報告されていません。筆者らの調査によれば、道路上での事故の大半は片ブレーキが主要因になっていると分かりました。
乗用トラクターはブレーキペダルが右用と左用とに分かれていて、通常は同時に働くようにリンクで連結されています。そのリンクを外すことによって圃場(ほじょう)内では旋回性能を高めるために左右のブレーキが独立して作用し、枕地手前で右側のペダルを踏めばその場旋回のように右回りできます。

 
   
    圃場での作業開始時にはオペレーターが連結を解除して行い、終了時には再連結するのですが、人間の行動特性として、再連結を忘れたまま次の行動に移ることがあります。そのため、圃場から道路に出て速度を上げて走り、すれ違いや右左折、信号停止などでのブレーキ操作時に片ブレーキとなって転倒・転落や他の車との接触・衝突事故になります。
トラクターは一般の車と違って、ハンドルを回して車体の向きが変わった後でもタイヤの向きが自動的に真っすぐにはならず、操作が必要とされています。運転操作や作業の研修を受けていなかったりして、道路に出てすぐに右左折しなければならないときに適切な速度でない場合には、車体コントロールができないことがあり、パニック状態となって、蛇行したり、片ブレーキを踏み事故になることも見受けられます。
いずれもヒューマンエラーの典型です。従来は人の注意力に頼っていましたが、このミスを機械側から補うことができれば、片ブレーキ事故は減らせます。最近のトラクターには、ダッシュボードに片ブレーキ状態を示すランプが取り付けられています。道路走行に移る前に再連結を促しているのですが、万全の装備とはいい切れません。
圃場から出る前にはブレーキの連結状態を確認する危険予知行動を習慣付けるようにしましょう。
 
    人間工学専門家●石川文武  
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