JA大阪南のブログ

トラクターの転倒

農作業事故2016.04.01

  1604 トラクターの転倒 

農作業死亡事故では乗用トラクターに関わるものが最多で、年間100件以上発生しています。そのうち70%程度がトラクターの転倒または転落による死亡です。
現在農業機械に要求されている安全装備のほとんどは「接触などにより負傷したりすることのないように」という、いわゆる「予防安全」として施されています。しかし、倒れないトラクターが存在しない状況下では、「倒れてもオペレーターが死亡しないための安全装備」、すなわち「事後安全」にしましょうというのが国際的な共通理解です。この考えから、転倒しても運転者を守る十分な空間を確保するために「安全フレーム」が開発され、運転席からの飛び出しを防ぐため、作業環境の改善のために運転席周囲を囲う「安全キャブ」が一般的になってきました。フレームとキャブを総称して転倒時保護構造(ROPS)といいます。

 
   
   諸外国ではトラクターへの装着を促進し、その結果、転倒による死亡者が激減しています。日本でもROPSの装着率が次第に上昇していますが、いわゆる「裸のトラクター」もまだまだ稼働しているので、激減とはなっていません。農研機構生研センターの分析によれば、転倒・転落による入院・死亡はROPS無しで32%、ROPS有りで13%となり、有効性を認めています。今後、装着率の上昇により死亡件数の減少を期待しています。
安全フレームには、運転席後方にロールバー状の形をした2柱式と運転席周囲に4本の柱を立てている4柱式があります。果樹園やハウス内でトラクターによる作業を行う場合には、特例的に2柱式フレームを後方に倒して使う(可倒式といいます)ことが認められていますが、作業後の道路走行時に起こすことを省き、転倒・転落事故を起こす事例がたびたび発生しています。「起こすのが面倒だった」と命拾いをした人は言いますが、倒す・起こすは簡単に行えるようになっていますので、一時の労を惜しんで悲惨な状況へ突進するようなことは避けてください。
 
    人間工学専門家●石川文武  
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