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笑顔の実り。vol.026

さかうえ つねおさん|68歳

富田林市 錦織南 阪上 常雄さん

海老芋につながる絆

海老芋をご存知だろうか。ねっとりとした独特の食感と甘みをもつ、里芋の品種のひとつだ。阪上さんは11年前に亡くなった父親から畑を受け継ぎ、現在に至るまで海老芋を作り続けている。農業の師である父親との思い出について、阪上さんに語ってもらった。 「おやっさん(父親)は本当にいい人でね。忙しい時期も『お前は勤めてるんだから、何もせんでもええ』と私のことを気遣ってくれました。そんなふうに言われると、逆に『私も手伝わないと』と思ったもんです。農業を継がないという選択肢もありましたが、おやっさんが大切に育てているのを横で見てましたからね。おやっさんの亡くなったあと、海老芋作りを受け継ぐ覚悟をしました。当時は働きながらの兼業でしたが、定年退職した今は農業1本でがんばっています」 父親を手伝った経験が、現在の海老芋作りの基礎になっているそうだ。

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昨年8月頃の様子

料理屋との信頼関係

阪上さんが海老芋作りを継いだのは、もうひとつの理由がある。父親の代から出荷している老舗料理屋との信頼関係を崩さないためだ。 「おやっさんの代から、ありがたいことに長年お付き合いをさせてもらっています。店の方から『これからも続けてほしい』と言われていますし、お店に来てるお客さんも『カワチ(南河内)の芋はいつ入るの』と楽しみにしているそうなので、期待されている以上は頑張りたいですね」 もちろん、期待があるぶんプレッシャーも大きい。店との信頼関係を守るためには、品質の維持が絶対条件だ。 「当たり前ですけど、変な芋は絶対出荷できません。毎年違った天候の中で同じ品質を維持するのは大変ですが、自分なりに試行錯誤しながら作っています」 毎年、プレッシャーと闘いながら海老芋作りに励んでいる。

一人じゃ出来ない

海老芋作りはかなりの重労働だ。芽出しした種芋を土に植え、夏の暑い時期は土寄せや草抜きに追われる。芋が焼けないよう、藁をかぶせることも欠かせない。何より大変なのは収穫だ。農機具が発達し、だいぶ楽になったものの、土を掘り返す作業は負担が大きい。そのため、新たな担い手も見つかりにくいという。 「担い手については、正直難しいと思いますね。近所の人に『海老芋を作ってみないか』と声かけをしているのですが…。海老芋作りは重労働ですからね」 阪上さんは近所の方に助っ人を頼み、収穫の時期を乗り切っているそうだ。 「収穫のときは、10人近くの方が手伝ってくれています。毎年ありがたいことで、ほんとうに頭が上がりません。いつも思うのは、海老芋作りは自分1人じゃ出来ないということ。周りの方の支えがあってこそ、続けられています」 阪上さんは取材中何度も「1人じゃ出来ない」と口にしていた。常に、周囲の人への感謝を忘れない。

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芋掘り用の備中鍬

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海老芋でつながる絆

「大変なことが多いぶん、海老芋が出来たときの喜びは大きいですね。大きく育ってきたら、思わず畑を見てニコニコしてしまいます。まだまだ未熟なので『海老芋』ではなく『海老芋らしきもの』しか作れていませんが(笑)。最近は芋作りが面白くなってきています」 海老芋作りには、プレッシャーや重労働を吹き飛ばすほどの喜びがあるという。そして、そのモチベーションの根本には「海老芋を通じて繋がる絆」がある。 父親の教え、料理屋との信頼関係、近所の方との助け合い…。 様々な人との絆によって、阪上さんの海老芋作りは成り立っている。

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