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笑顔の実り。vol.034

かわぎし よしおさん|67歳

河内長野市 高向 川岸 祥郎さん

高向で生まれ、石川の水で育つ

CIMG0985_イチジク

自然との闘い

イチジクは水と相性が悪い。水を与えすぎると実が裂け、ぼやけた味になってしまう。だから、イチジク農家にとって「長雨」は天敵だ。 「かんかん照りくらいがちょうどええ。でも天候はどうにも出来ないから、農業は自然との闘いやと思います」 そう話すのは、河内長野市の高向地区でイチジクを栽培する川岸祥郎さん(67)。川岸さん自身、今年は雨に苦しめられた。9月から長雨が続いたせいで、愛情をこめて育てたイチジクは大打撃を受けた。 「せっかく順当に良いものが出来て、収穫が楽しみやったのに。雨のせいで不良品が多いんです」と、残念そうだ。 イチジクは追熟(※1)しないので、完熟のものしか収穫できない。雨が降ると分かっていても、事前に備えることは難しい。 豊作に喜ぶ年もあれば、不作に泣く年もある。毎年収穫の時期にならないと、どうなるのかは分からない。 ※1 果物などを収穫後、一定期間置くことで甘さを増したり柔らかくすること

高向で生まれ、石川の水で育った

川岸さんは現在、イチジクを地域に普及させるべく活動している。実は元々、河内長野市高向地区はイチジクの産地。しかし、段々と農家の数が減り、イチジク畑は町から姿を消していった。川岸さんも一旦は栽培を辞めていたそうだ。 「父親が兼業農家でイチジクを栽培してたけど、手が回らんから水稲に変えたんです。そしたら、市や地域の人からイチジクを栽培して、もう一度高向地区に広めて欲しいとお願いされて…。そう言って貰えて嬉しかったし、町に貢献したいと思いました」 川岸さんは生まれ育った地域を愛している。「高向で生まれて、石川の水で育ったからな」と笑う。高向地区の役員も務めており、住民の意見を行政に伝えるべく忙しい日々だ。 「若いころは都会に行きたいと思うこともあったけど、今は地域の人とふれあったり、地域をもっと良くしていきたいと思っています」 消えてしまったイチジクをもう一度地域に広めようとしているのも、川岸さんの「地元愛」ゆえだろう。

CIMG0981_畑

イチジクを広めたい

行政の協力もあり、川岸さんを含めた3人でイチジクの普及活動をおこなっており、分担して苗木110本を育てている。 イチジクは苗木を植えてから2年ほどで収穫できる。「桃栗三年。柿八年」と言うから、他の果物よりも成長が早いのだ。また、ハウスなどの設備もいらないため、お金がかからないという利点もある。 川岸さん達の活動の成果は、少しづつ実を結び始めた。新しくイチジクを育てる人は、着実に増えている。 「最初、直売所にイチジクを出荷する人は3件ほどだったのが、最近じゃ5~6件と増えてきた。作り方を教えてほしいとお願いされることもある」 川岸さんは嬉しそうだ。

みんなで支えあう農業

川岸さんに跡継ぎのことを尋ねると、「難しいんちゃうかな」と返ってきた。 「農繁期は息子が手伝ってくれるし、田植えと稲刈り近づいてきたら、向こうから『いつやるの』って聞いてくれる。働いてて忙しいのに、ありがたいです。 でも、後を継ぐか継がないかは息子が決めてくれたらいいと思ってる」 あくまで息子さんの気持ちを大切にしたいと話す。 「でも、農地は絶対に地域からなくなったらあかん。だから、みんなで支えあって農業ができたらいいなと思うし、共同農地として交代で管理すれば、町中でも田や畑を守っていけるかもなあ」 川岸さんの愛する、自然が豊かなまち河内長野市 高向地区。後世までイチジクや農地を残すため、川岸さんの活動は続く。

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