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笑顔の実り。vol.035

まつお よしかずさん|63歳

富田林市 喜志町 松尾 善一さん

美味しいよ なにわの伝統野菜

「なにわの伝統野菜」をご存知だろうか。約100年前から大阪で栽培される府独自の野菜の総称で、現在は17品目が登録されている。品種改良や食の洋風化で食卓から消えつつあったが「伝統ある野菜を見直そう」という思いから、平成17年より府が中心となり栽培を広めている。テレビで紹介されることもあるので、知っている人もいるかもしれない。 松尾さんは鳥飼茄子(とりかいなす)や勝間南瓜(こつまなんきん)、毛馬胡瓜(けまきゅうり)など、数種類の伝統野菜を育てている。「JA大阪南なにわの伝統野菜部会」から薦められ、栽培を始めた。 「作ってみないかと誘われて、軽い気持ちで部会に入りました。見た目が変わっていたり、手間がかかったり…癖の多い野菜が多いけど、味には自信があります。伝統野菜の美味しさをみんなに知ってもらいたい」 今回は、松尾さんの農業人生と「なにわの伝統野菜」の魅力に迫る。

オリジナル肥料

オリジナルの肥料は美しい野菜を生む

鳥飼茄子

鳥飼茄子は甘く

オリジナル肥料が秘訣

松尾さんが本格的に農業を始めたのは、今から10年前にさかのぼる。友人の薦めで農産物直売所「あすかてくるで羽曳野店」に出荷登録したことがきっかけだった。当時、会社勤めの合間に養父の畑に行っていたが、それはあくまでお手伝い。直売所で野菜を販売するようになってから、本格的に農業に取り組むようになったという。養父が亡くなり仕事を辞めた現在も「なにわの伝統野菜」を中心に直売所に出荷している。 松尾さんの農業に対するこだわりは、なるべく農薬を使わず栽培すること。安全安心な農産物を消費者に届けたいという思いがあるからだ。そのため、化学肥料を使わず、しめじ農家の友人から分けてもらった「おがくず」を土に混ぜている。キノコは「おがくず」に米ぬかなどを混ぜて培地を作るが、栄養をたっぷり含んでいるので土に混ぜて発酵させると肥料になる。オリジナル肥料が安全な農産物を作る秘訣だ。

美味しさを伝えたい

丸い形の鳥飼茄子や長細い毛馬胡瓜など「なにわの伝統野菜」は名前の珍しさや変わった見た目のせいで、手に取るのをためらう人もいるかもしれない。 「食べずに判断するのは勿体無い。試してもらえば、美味しいことはすぐに分かるはず」と松尾さんは訴える。 味わう機会を提供するため、販売の形は試食販売がベストだ。実際、直売所で試食をする時はよく売れる。「美味しい。こんな味やったんや」と驚かれることも多い。 「試食のときは、美味しい食べ方や食べ頃も伝えています。たとえば、鳥飼茄子は油や味噌との相性が良く、ハンバーグを挟んで食べるのもオススメです。毛馬胡瓜は意外に焼くと美味しいし、勝間南瓜は熟すと赤くなるので、緑色より赤いものを選んで欲しい。作り手が伝統野菜の魅力を伝えることで、知名度を上げていきたい」 ただ売れるのを待っていても、珍しい野菜を買ってもらうのは難しい。松尾さんは、生産者自らPRすることが重要だと考えている。

鳥飼茄子2

果肉が緻密

食べれば分かる

「毛馬胡瓜は手間胡瓜って言われるくらい、作るのに苦労する野菜です」 成長すると全長約40センチにもなる毛馬胡瓜は、まっすぐ育てるのにコツがいる。少しでも葉や茎にあたると曲がってしまうので、切った竹を差し洗濯ばさみで挟む。一本一本固定するのは骨が折れる。 「毛馬胡瓜に限らず、なにわの伝統野菜は手間のかかる野菜が多いので大変です。でも、出荷を続けることで直売所のリピーターも増えてきた。市場の仲買人から直接注文が来ることもあります。需要は確実に増えているので、これからも作り続けたい」 大阪生まれの「なにわの伝統野菜」。売っているのを見かけたら、一度食べてみて欲しい。そうすれば、松尾さんの言いたいことは伝わるはずだ。

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