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笑顔の実り。vol.038

ひがしの ひろゆきさん|75歳

河内長野市 木戸 東野 弘幸さん

農業は、計画的に

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桃作りのキッカケ

東野さんはひょんなことがキッカケで、桃を作り始めた。 「購入した土地に、たまたま桃の木が植えてあったんです。木を切るのは勿体無いので、手入れして栽培を引き継ぐことにしました。55歳の時です」 実家は専業農家だが、東野さんは高校卒業後に会社に就職。配管業務を担いながら現場を指揮し、ロケットの液体燃料充填研究開発など、ビックプロジェクトにも関わってきた。理系の現場で働いてきたので、もちろん桃の栽培は始めての経験だ。最初は何も分からず戸惑ったと言う。 「助けてくれたのは、近くで栽培している先輩達です。剪定から収穫まで丁寧に教えて頂き、本当に助かりました」 今の自分があるのは、先輩達のおかげだと語る。

3つのポイント

「桃の栽培には3つの重要なポイントがあります」と、東野さん。 1つ目のポイントは『剪定』だ。甘い桃を作るには、太陽の光が当たるよう枝を整える必要がある。また、実に栄養が行き渡るよう間引かなければいけない。一つの枝に残す実は2~3個だが、東野さんは枝の太さなどで判断し、残す個数を変えている。 2つ目のポイントは『土壌』だ。東野さんは堆肥を多く入れて、栄養たっぷりの土壌を作っている。取材のとき桃畑を歩くと、靴底が5センチほどへこんだ。土がふわふわな証拠だ。空気を多く含む土は水はけが良く、湿度に弱い桃に適している。 最後のポイントは『気候』だ。昼間は暑く、夜は涼しいといったように、昼夜の寒暖差があると桃は甘くなる。しかし、最近は温暖化の影響で気温が高く、急な大雨も多い。毎年、気象状況には気を配っているが、天候ばかりはどうにも出来ない。適度な剪定をおこない、土壌を整えたら、最後は天に祈るのみだ。

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計画的な農業を

東野さんは毎年、正月の三が日に1年間の計画を立てる。いつまでにどんな作業をすればいいのか、頭に入れておくためだ。その時に役立つのは、病害虫の防除暦と20年以上続けている日記。日々、どんな作業をしたのか記録している。 「虫が出る前に農薬をまいたり、トラブルを防ぐためには早めに行動しないといけません。そのためには、1年のはじめに計画を立てることが大切。日記があれば、どの時期に何をしていたのか振り返れるので、年間スケジュールを考えるときに便利です」 分かっていても、忘れず日記を書くことは難しい。東野さんは「サラリーマン時代に品質管理を担当したことがあり、その時にきっちり記録をとるクセがついた」と語る。

苦情ゼロ件

収穫した桃は、宅配便で各地に送っている。 「最初は作った桃がさばけたら良いなあ、ぐらいの気持ちでした。でも、ありがたいことにだんだん固定客がつき、口コミで評判が広がっていきました。今では、桃が足りないほどです」 桃が人気商品になったのは、どんな理由があるのだろう。東野さんは「品質に気を配っているからかな」と語る。 形や大きさ、傷の有無など、厳しく桃を選別している。また、収穫のときは糖度計で甘さを測り試食する。そうして桃をふるいにかけ、基準をクリアしたものだけ発送する。また、北海道から九州まで全国に送っているが、傷まないよう、配送にかかる時間によって桃の熟度を変えている。 「苦情というのは、必ず自分に落ち度があると思います。お客さんが不満に感じているなら、チェックが足らず、どこかでミスを見逃しているはず。そういう事がないように、自信のある桃しか配送しません」 品質管理を徹底しているから、今まで苦情はゼロ件だ。

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美味しい桃まで10年

人気が出るにつれ桃が足りなくなり、東野さんは栽培面積を増やした。しかし、収穫できるようになるまで10年かかったそうだ。 「若い桃の木は立派な実をつけるけど、味は美味しくない。商品のレベルに達するまで10年かかりました。倒れそうな老木のほうが、子孫繁栄のためか実に栄養がいき、甘い桃が収穫できるんです。不思議ですね」 跡継ぎがいないという事もあり、これ以上面積を増やすことはないが、体力が続く限りは続けていきたいと語る東野さん。毎年収穫を楽しみにしている全国のお客様のため、これからも美味しい桃を作り続けて欲しい。

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