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笑顔の実り。vol.047

いぬい ゆかさん|42歳

富田林市 西板持町 乾 裕佳さん

みんなのやりたい事を みんなで実現する

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両親を助けてあげたい

子どもの頃は、家業が農家なのが嫌でたまらなかったと話す乾さん。大学は農学部を受けず、地元の短大に進学した。 しかし、卒業を迎えるころになると、就職するのか、家を継ぐのか、乾さんは選択を迫られた。 「悩みましたが、自分は『両親を助けてあげたい』という気持ちから逃れられないと思い、家を継ぐ決断をしました」 だが、人生は何が起きるか分からない。乾さんが実家の農業を継ぐのは、それからずいぶん後のことになる。卒業間際にハワイへ農業研修に行き、鹿児島県で農業を営む男性と出会い、帰国後すぐに結婚することになったのだ。夫を手伝うため鹿児島県に移り住み、子育てと両立しながら農業を手伝った。 8年前に夫が亡くなり、乾さんは生まれ育った故郷に戻ってきた。新たな人生の始まりだった。

外国人実習生の受け入れ

乾さんが戻ってきて最初に始めたのは、ハウスの増設だった。実家の「乾農園」はパートを雇っているが、忙しい時間以外は手が余っている。せっかく人を雇っているのに、これでは勿体ない。もっと作れるはずだと、2年ほどかけてハウス約2反を増設した。現在、キュウリなどを育てるハウス約10反、エビイモ4反、露地のナス2反、米約6反を栽培している。しかし、仕事が増えすぎると、今度は人手が足りなくなる。将来を見据え、パートではなく男性の正社員を4人雇うことにした。さらに、外国人の実習生も受け入れている。 「中国人の子を1人受け入れたのが始まりで、だんだん増え、今はベトナム人5人が来てくれています。すごく働き者なんですよ」 実習生を受け入るときは、ベトナムへ家庭訪問に行き、両親と話をするそうだ。

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コンバイン

やりたい事を実現する

正社員やパート、外国人実習生など人数が増えると、どんな人材を育てるのか、どんな組織を作るのかなど、経営者の目線が必要になる。 乾さんの理想の形は「みんなのやりたい事を、みんなで実現する場を作る」ことだ。ああしろ、こうしろと上から指図して仕事を「やらせる」より、個々がやりたい事を見つけて、自発的に行動できる場を作りたいと考えている。 もう一つ大切にしているのは、従業員に「商品を作っている」という意識を持たせることだ。商品として出荷している以上、質の低い農産物を作るのは恥ずかしいことだ。「失敗したら、みんなで食べればいい」という考えでは、絶対に良いものは作れない。 「いま社員の一人に苗の管理を任せているんですが、それは一から一人で作ってもらうことで、商品を育てている感覚を養って欲しいからなんです」 農業を通じて、人も育てている。

新しい世界の広がり

昨年、大阪府とJAグループ大阪が主催する「大阪アグリアカデミア」に参加した。次世代農業経営者が農業経営について学ぶ取り組みだ。講義で学び、他の経営者と話すことで、乾さんの世界は大きく広がった。 「今まで家の仕事しかやってこなかったので、経営の勉強は自分の視野を広げてくれました。ただ利益をあげれば良いのではなくて、世界情勢の流れを見て、GAPなどに対応する必要があるんです。日本のことしか考えていなかったけど、世界という大きいスケールで物事を考えるようになりました」 世界の流れに対応するため、今後は徐々にGAPにも取り組みたいと話す。

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未来へのバトン

乾さんは、これまで地域で農業を行ってきた両親、共に働いている従業員、悩みを相談できる地域の農業者など、多くの人に支えられ、今の自分があると感じている。毎日勉強の日々で忙しいが、それでも感謝の気持ちは忘れず、農業者としてもっと成長したいと考えている。 そんな母の姿を見て、最近、乾さんの長女が「頑張っているお母さんを助けたい」と大学の農学部に進学した。 「家ではしんどい話をしなかったので、そのおかげかも」と、嬉しそうに笑う。 「子ども達の存在も心強いですけど、これから社員もどんどん成長していきます。私個人の考えですが、やりたい人が乾農園を継いでくれたら良いと思うんです。そのほうが長く続くはずです」 乾さんは今、農作業のノウハウを文字で書き残している。今までは感覚で覚えていたものを、目に見える形で残しておくことが出来れば、両親から受け継いだ栽培方法を、後世に伝えることが出来る。 未来へのバトンは、いま着々と受け継がれようとしている。

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