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笑顔の実り。vol.050

てらにし としひろさん|40歳

富田林市 別井 寺西 敏浩さん

寺西養鶏場3代目

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寺西養鶏場オリジナルのエサを食べさせている。エサをあげると、ニワトリは大喜び。

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卵の直売も行っている。作業は家族みんなで分担。左より、寺西さんの母 二美代さん・妻 良子さん・お手伝いに来ていた長男 大惺くん

脱サラして養鶏の道へ

8年前、東京で働く寺西さんの元に、実家の両親から電話が掛かってきた。 「養鶏場をたたもうと思ってるんやけど、どうする?」 祖父の代から続いてきた養鶏場だが、そろそろ辞めようと思っている。継ぐ気はあるのかと、意思を尋ねられた。 子どもの頃から、働く両親の姿を見てきた寺西さん。いずれは長男の自分が継ぐのだろうと考えていた。しかし、そのためには仕事を辞め、東京から大阪に引っ越さなければいけない。結婚し、子どもが生まれてすぐのタイミングで、生活が180度変わることに戸惑いがあった。悩む寺西さんの背中を押したのは、妻の良子さんの言葉だった。 「お父さんとお母さんがここまで頑張ってきたのに、養鶏場をたたむのは勿体ないよ」 良子さんに励まされ、寺西さんは養鶏場を継ぐ決心をした。 実家に戻ってからは、父親の弘美さんから養鶏のイロハを学んだ。しかし、1年後に弘美さんの癌が発覚し、2年後に他界された。 「父とは1年ほどしか一緒に働けませんでした。まだ分からないことも沢山あったので、近所の養鶏場まで話を聞きに行き、みなさんに助けてもらいました」

ヒヨコ・エサ・水

寺西さんの養鶏は、ヒヨコから始まる。卵を産むメスのヒヨコを仕入れ、大きくなるまで自分で育てるのだ。成鳥(ニワトリ)を買ったほうが楽だが、業者が育てると、どんなエサを食べてきたのか、必要なワクチンを接種してきたのか分からない。安全な卵を作るため、代々ヒヨコから育てている。 卵作りでこだわっているのは、エサと水だ。主食のトウモロコシに米ぬかや海藻などを混ぜ、オリジナルのエサを作っている。エサによって卵の風味が変わるので、栄養バランスが良く、臭みの少ない卵になるよう、配合を工夫している。 「ニワトリはトウモロコシが好きなので、他のものを混ぜると食べてくれない時もある。微妙な配合のバランスで変わるので、難しいです」 ニワトリが飲む水は、金剛山の湧水だ。この地区では水が豊富なので、ミネラルたっぷりの新鮮な水を地下からくみ上げている。水は溜めておくと鮮度が下がるので、24時間流しっぱなしだ。 「卵の天敵は生臭さです。うちのブランド『さしみ卵』は、エサや水にこだわり、その日に収穫した産みたての卵のみ販売することで、臭みが無くて新鮮な『お刺身』のような味を目指しています」

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ヒヨコから育てているので、ニワトリは寺西さんによく懐いている。卵を産むのはメスのため養鶏場にいるのはメスのみ。

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卵の白身は鮮度のパロメーター。白身の盛り上がった部分は「濃厚卵白」と言い新鮮な卵ほど、この部分が盛り上がり白く濁っている。

子どものように育てる

実は、全てのニワトリが卵を産むわけではない。寺西さんによると、卵を産むのは良くて全体の8割ほど。ストレスが溜まると、卵を産まない時もある。 「私の1番の仕事は、ニワトリが機嫌よく卵を産んでくれるよう、環境を整えることなんです」 毎日エサを用意し、いつでも水が飲めるよう気を配る。暑さに弱いニワトリのために、夏は風通しを良くし、冷たい水をかけて温度を下げてやる。 卵を産んでもらうには、ニワトリを自分の子どものように、愛情深く育てなければならない。

販売方法を見直したら

仕事に慣れ、少し落ち着いた頃、寺西さんは良子さんと相談して、売り方を見直すようになった。 まず目をつけたのは、段ボールやチラシだ。その日のうちに収穫したことが分かるよう「産みたて卵」の文字を入れ、デザインを変更することにした。 より多くの人に知ってもらえるよう、ホームページも開設した。全国から注文がきても対応できるよう、送料を全国一律500円に抑え、コストを削減した。 「テレビの取材がきっかけで、ホームページのアクセスがグンと増えました。おかげで、飲食関係者の注文や、知り合いに卵を贈りたいという贈答用の注文が入るように。今では北海道から沖縄まで、全国に毎日5~6箱郵送しています」 新たな売り先を確保したことで、売り上げが伸びたそうだ。

寺西養鶏場の3代目

養鶏は生き物が相手なので、365日休み無しだ。家族や数名のパートで作業を分担しているが、今後は従業員を増やすなど、規模の拡大も視野に入れているそうだ。 「自分が休んでも、誰かがカバーできるよう体制を整えていきたいですね。法人化することも考えていますが、大きくなっても効率化だけにとらわれず、手作業で作る今のやり方を続けていきたいです」 時代の流れに合わせて変わりながら、養鶏場の3代目として、これからも伝統を守っていく。

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