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笑顔の実り。vol.054

まつうら ゆうじさん|84歳

藤井寺市 小山 松浦 勇治さん

思いやりの心

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働きながら農業

両親が農業を営んでいたので、松浦さんは小学校6年生の頃から家の仕事を手伝っていた。両親の働く姿を見て、米作りや土の耕し方など、自然と農作業を覚えたそうだ。 高校を卒業した後は、国鉄(現在のJR)に就職した。運転手や事務仕事など、忙しく働く間も、休みの日は必ず畑に出る。松浦さんの妻、久枝さんが実家の畑を受け継いだので、面倒を見る必要があった。平日は義父が畑を見てくれたが、力仕事など、メインの仕事は松浦さんが請け負った。 1987年に国鉄が民営化すると、松浦さんは54歳で会社を早期退職した。学生時代に取得した資格を活かし、電気の点検・保安業務を行う会社に再就職したのだ。50歳を超えてからの転職は大変だったが、やりがいもあった。65歳で定年退職すると、ついに農業1本の生活が始まった。

田植えは手植え

松浦さんはジャガイモやエンドウ、米などを育てている。収穫した農産物は出荷しておらず、家族で食べるが、ジャガイモは「子ども達に地元の農産物を食べて欲しい」と、藤井寺市実行組合長会を通じ、地元の学校給食センターへ50キロほど出している。 米の品種はヒノヒカリだ。妻の久枝さんは「家で作った米しか食べ ないから、主婦なのに米の値段が分からない」と笑う。5月になると田植えが始まるが、なんと全て手作業で行っている。田に勾配があるので、機械で植えると苗が沈んでしまうのだ。手植えなら、深さのある所は長い苗を植えるなどして、高さを調整できる。 長時間同じ体勢で作業するのは体に負担がかかるはずだ。しかし、松浦さんは「少しずつ植えているので大丈夫ですよ」と笑う。子どもの頃、親戚総出で田を植えた時、上手な人の動きを見て田植えのコツを学んだそうだ。 近所に住む長男も、田植えの時は仕事を手伝ってくれる。松浦さんは昨年腰を痛めたので、力仕事や長時間作業する時は、息子が貴重な労働力になる。収穫した米は長男夫婦や孫など、家族みんなで食べている。

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元気の秘密

毎日、自転車で畑に通う松浦さん。80歳を超えても元気いっぱいだが、元気の秘密はどこにあるのだろう。 「退職してから体力作りのために卓球を始めたので、そのおかげかもしれません」と話す。 週3回2時間づつ、3つのクラブに通い、卓球で汗を流している。ただスポーツを楽しむだけでなく、世話役としてクラブの面倒も見ているそうだ。若者からお年寄りまで、老若男女が集まるクラブで人と話すのは、良いストレス解消になる。 「大会の時期は農繁期と重なるので、試合には出ていません。自分より年上の方もクラブに来ているので、体力が続く限りは、農業と同じように頑張り続けます」

思いやりの心

妻の久枝さんは、世話をする者がおらず荒れた農地を見かけると「一歩間違えば、うちもこうなっていたのかも」と悲しい気持ちになるそうだ。実家の畑を継いでくれた松浦さんに対し「ほんまによくやってくれてる。ありがたい」と感謝の言葉を口にした。 「畑の面倒を見ていた義父が亡くなった後、農地をどうするか悩みました。何も作れないなら、売ってしまえばいいのかもしれません。けど、先祖代々の土地を無下にはできない。主人は私の両親を立てて、よう継いでくれました。卓球クラブの会員さんも『松浦さんはみんなのために、よく頑張ってる』と褒めて下さい ます。主人は誰かのために動くのが好きな性格なんだと思います」 卓球クラブで会員の面倒を見たり、久枝さんの思いを汲み取り、農地を受け継いだり、松浦さんは人のために何が出来るか考え、行動に移す「思いやりの心」を持っている。 「お父さんにはいつも、体に気をつけて長生きしてねと言っているんです」と久枝さんが笑顔で教えてくれた。その言葉通り、松浦さんにはこれからも、元気で農業を続けて欲しい。

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