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笑顔の実り。vol.057

おおうら かおるさん|59歳

河南町下河内 大浦 薫さん

地元に恩返し

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人生に影響を与えた2人

「私が52歳のとき、兄が病気で亡くなりました。自分の人生の中ですごく大きな出来事です」 悲しみのなか残されたのは、お兄さんが両親から受け継いだ農地。甥はまだ20代で、突然農地を継げと言われても困るだろう。悩んだすえ、大浦さんは勤めていた会社を辞め、農業を始める決心をした。 1年かけて部下に会社の業務を引き継ぎ、農業を始める準備を整えた。退職してからは、JAや大阪府が主催する農業塾に通い、栽培方法を学んだ。 会社員のころと比べ収入は減ったが、大浦さんは就農の道を選んだことを後悔していない。今までは仕事に関わる人としか付き合いが無かったが、農業を始めると地域の人々や役所、JAなど様々な繋がりが出来た。狭かった視野が、大きく広がった。 「私は身近な人間の死を2度経験しています。1人は兄。もう1人は、教師を目指して小学校で介助員をしていたころ、お世話をしていた児童の死です。難病と闘っていましたが、数年後に亡くなられました。人生は短く、人はいつ死ぬか分からない。自分は生かされているのだから、2人の分も後悔のないよう生きようと思いました」 身近な人が亡くなったことが、大浦さんの人生に大きな影響を与えている。

自己管理で人生豊かに

「後悔のないよう、自分に出来ることをやる」という信条通り、大浦さんは様々なことに挑戦してきた。教師になる夢は諦めたが、パンや洋菓子の製造販売や医薬品、めん棒のメーカーなど「やってみたい」と感じたらどんな仕事も経験した。「少しは落ち着いたらどうだ」と言う人もいたが「転職はキャリアアップの手段」と考え、実際に出世を重ねた。 会社員として一線で働いた経験は、農業でも活かされている。大浦さんは毎年お正月に年間の売り上げ目標を決め、達成するために必要な行動を月の目標、週の目標に落とし込んでいる。管理が難しい農業の収支だが、1日の終わりに必ず進捗を確認し、今日の目標を達成できたか、パソコンに入力する。 「20歳になったとき、白紙の紙に人生設計を書きました。何歳で結婚し、いつマイホームを買い、部長になるのは何歳がいい…と、表にしたんです。人生の折々にこの紙を見直し、ちゃんと実行出来ているか振り返りました。自己管理がきっちり出来ると、人生はより豊かになります」

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売上げアップのために

栽培しているのは、トマト、キュウリ、ナスなど定番農産物のほか、各種トウガラシ、ゴマ、ウコン、キクイモなど変わったものまで、計100種類以上。南河内であまり作られていない作物も多く育てている。他の人が作らない農産物は、価格競争に巻き込まれない独自の取引が出来るからだ。出荷先は、自分の直売所「大浦ファーム」のほか、道の駅かなんや飲食店など。最近では取引先のレストランから「この作物を作ってほしい」とオーダーされることもある。 加工品にも積極的に取り組んでいる。自家製の米を使って作るポン菓子やポンせんべいは、ファンの多い商品だ。キャラメル味、イチゴ味など様々なバリエーションがあり、テレビでも取り上げられた。加工品は在庫管理が楽なうえに販路が広がりやすく、気軽に渡せる手土産として重宝する。 「少しずつ色々な物を作ることで、失敗した時のリスクを軽減しています。生き残るためには、どうすれば効率的に売り上げを伸ばせるのか、常に考える必要がある。大浦ファームの名前を知ってもらうために、袋にシールを貼ったり、出来ることは沢山あるはず」

地元に恩返し

「農業を始めたころ、地元の方に沢山助けてもらいました。使わなくなったハウスや資材を頂いたり、農業で分からないことは教えて頂いたり…。兄が生前、地元の方と良い関係を築いてくれたおかげです。周りの方に『お兄さんには世話になった』とよく声を掛けて頂きました。大変なときに助けてくれた地元に、今度は自分が恩返ししたい」 河南町では最近、耕作放棄地や空き家が増えてきた。現状を打破するため、大浦さんは新規就農者を実習生として受け入れ、次世代農家の育成に力を注いでいる。 さらに、今年の9月には、農業生産法人「かうち彩園」をスタートさせた。メンバーは7人で、大浦さんの元で学んだ実習生などが中心だ。河南町下河内にある古民家と農地を借りて、共同で農産物の販売などを行う。 「新しい事務所を探していた時、一人暮らしのおじいさんが亡くなられた事を知りました。遺族の方に相談すると、家と畑を貸して頂けることになったんです」守る人がいないと、家も農地も荒れてゆく。かうち彩園が管理することで、少しでも地域が元気になればと話す。 「1番良いのは、私の家族、かうち彩園、お客様、地域社会…と、関わる人すべてが幸せになること。メンバーで力を合わせ、みんなの不安や心配を取り除きたい」  挑戦は、まだ始まったばかりだ。

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