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笑顔の実り。vol.066

ふるかわ まさひでさん|39歳

富田林市龍泉 古川 雅英さん

自分のやりたい農業を

自分のやりたい農業を

大学を卒業後、古川さんは実家の畑を継いで就農した。農業を始めた当初を「あの頃は暗黒時代だった」と振り返る。仕事場の畑は、実家から軽トラで5分。毎日、家と畑を往復するだけの毎日が続く。家族以外、誰とも話さず1日が終わることもあった。農業自体は好きだったが、まだ分からない事も多く、指示された通りに動くだけ。古川さんの意志は無かった。  そんな毎日を送っていた頃、若手農家が所属するクラブに入部した。そこで出会った人が、古川さんの考えを変えた。 「自分と同じように実家が農家でも、両親とは別々に農業をしている人がいたんです。家族でも、距離が近すぎると上手くいかない事もある。言われた通りに動くんじゃなくて、自分の考えで農業をやっても良いんだと考えるようになりました」  変わるための一歩として、古川さんは野菜ソムリエの資格を取得した。一人の人間として自立するため、実家を離れて一人暮らしも始めた。当時、給料は両親から固定給をもらっていたが、部会を通じて地元量販店に卸す分だけ、自分の儲けにして良いと言われていた。どうすれば売上が増えるのか考え、工夫するうちに、段々と売り上げが増えていった。次第に、農業にやりがいを感じるようになった。  「両親から事業を継承し、今は自分のやりたい農業を実践しています。どんな事でもやってみて、新しいことに挑戦しています」

大阪なすの育て方

古川さんが作っているのは、大阪なすをメインに、大阪きゅうりやミディトマトなどだ。富田林市が産地の「大阪なす」は、皮が柔らかくツヤがあることが特徴だ。良いナスを作るためには、昼間は温かく夜は涼しく、寒暖差があるほうが良い。暑すぎたり寒すぎると皮が硬くなったり、白く変色してしまう。  上手く育てるためには、水と肥料も重要だ。ナスは水を多く吸うが、あげすぎると病気になってしまう。2日に1回のペースで、金剛山から引いた水を少しずつ与えている。水だ足りないと皮が焦げてしまうので、ナスの様子を見ながら調整している。  肥料は有機肥料を中心に使っている。ナスは栄養を一気に与えて大きくするより、少しずつ育てたほうが、太さがでて形が良くなる。有機肥料は効き目が遅く、ゆっくり栄養が行き渡るので、ナスの栽培に適しているそうだ。  「最近、ハウスの中に二酸化炭素を入れる設備を導入しました。二酸化炭素を入れることで、光合成が活発になり、ナスの生育が良くなるんです。今年は例年より順調に育っているので、仕上がりが楽しみですね」  新しい技術を取り入れながら、大阪なすを育てている。

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家族との時間大切に

これまで古川さんは、自分がやりたいと思ったことは、何でも挑戦してきた。野菜売り場で流せるように、ナスやキュウリのテーマソングを自作したり、ウェブサイトを自作したり、看板や販促物のデザインも自身で手掛けた。  「こんな事をやってみたいと周りの人に話したら、不思議とみんなが協力してくれるんです。詳しい人を紹介してくれたり、情報を教えてくれたり。色んな人に助けてもらって、今までやりたい事を実現してきました」  もちろん、全てが上手くいくとは限らない。加工品作りに取り組んだ時は、ナスを使った味噌やジャムを開発した。管理栄養士にレシピを作ってもらい、順調に売り上げを伸ばしていたが、在庫管理や食品表示の対応にまで手が回らず、昨年で製造販売を終了した。  「加工品を作るより、大阪は売り先が沢山あるので、生産に集中したほうが良いことが分かりました。やってみたからこそ気づけたことです」  責任感の強さから、今までは一人で仕事をこなしてきた。そのため、夜遅くまで作業し、朝は遅くに起きることも多かった。しかし、結婚して家族が増えると、考えが徐々に変わってきた。  「全部自分でやらないと気が済まないタイプだったけど、子どもが出来てからは家族との時間を大切にしたいと考えるようになりました。そのためには、自分の仕事を他の人に任せられる形を作らないといけません」  今年の4月から、新たに従業員を2人雇い、古川さんを含めて4人体制になった。従業員を育て、みんなが休めるような仕組みを作っていきたいと話す。また、人を雇った分、1年を通じて仕事を用意しないといけない。今は冬の仕事が足らないので、トマトを育てられるよう計画を立てているそうだ。

多くの人に野菜を届ける

就農してから、古川さんは一通りのことに取り組んできた。今は原点に戻り、栽培技術の向上に力を注ぎたいと話す。  「もっと作るのが上手になりたい。上手というのは、単にすごく良い物を作るという意味ではありません。すごく良い物ばかり作って高い値段で売ることには、あんまり興味がないんです。それより、どんな天候でも安定して作れるようになることで、必要としてくれる人の所へ、野菜を届けたいという思いがあります」

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